新天地の好調を支えるテーブス海「アルバルクで優勝することは代表に入ることと同じくらい大きな目標」
自身がコート上に立つ時のチームの得失点差で「プラス17.9」と非常に高い数字を叩き出すなど、先発PGとして高いレベルでプレーができている
現在、B1最高勝率を挙げるなどアルバルク東京の好調を支えるのが今季、同チームに加入したテーブス海だ。
平均9.2得、1.8リバウンド、4.5アシストという、今季のテーブスの成績はいずれもキャリアで最高の数字というわけではないが、自身がコートに立つ間のチームの得失点差「+/-」がプラス17.9と非常に高い。
これはプラス18.9のライアン・ロシターに次いでチーム2位となっており、リーグ全体でも上位にある。テーブス自身のキャリアの中でも、飛び抜けて高い。彼は今季、開幕からの全14試合に先発出場し、平均で23分26秒の出場時間を記録しているが、そのすべてでプラスの数字をマークしている。
もちろん、今季のアルバルクには力のある選手が揃っているといった事情もあるから、「+/-」が個人の力量を明確に示すかといえばそうとも言い切れない。だが、それでも、彼が出ている時間帯の得失点差がこれだけプラスであるということは、今季の彼が攻守でいかに効果的な仕事ぶりをしているかを表している。
テーブス本人も「一緒に出ているメンバーのおかげ」だと、チームがうまく機能しているからこそ自身の+/−もそれだけ高い数字となっているのだと強調する。また、個人の数字よりもチームをどれだけ勝たせられるかで良し悪しを論じられる司令塔のポイントガードポジションの選手としては、13勝1敗という成績こそがより誇れるものと言えるだろう。
「ポイントガードとしてチームを勝たせられるようになりたいので、間違いなく良い方法を使ってるんじゃないかなと思います」(テーブス)
しかし、勝ちに固執して単にボールを運ぶ、パスをするといった「ゲームマネージャー」になつつもりはない。むしろ、188cmの体躯を生かした攻撃的なプレーをしながらチームを牽引したいと考えている。
「自分はやっぱりアタックすることでズレを作って、クリエイトするタイプのガードなので、それを完全に抑えてただチームをコントロールするとか、フィットすることばかりを考えていたら自分が出ている意味がないと思います。その意味では(ここまでの)14試合ではすごくいいバランスは取れているなと思います」(テーブス)
パリオリンピックへ狙うがBリーグはまた別物
今夏のFIBAワールドカップには、大会直前の候補者合宿で落選した。メンバー入りは濃厚だと思われていただけに周囲は驚いたし、当人ももちろん大舞台に立つことが叶わなかったことには失望したが、すぐに切り替え、アルバルクでのプレーに集中してきた。
メディアは彼のような立場の選手について「代表落選の悔しさをエネルギーに替えた」という風にもっていきたがるものだ。だが、アルバルクのプレースタイルが日本代表と大きく異なることもあって、Bリーグでのプレーはまた代表とは別個の意識でいるとテーブスは語る。
「結構、切り替えが早いので、多分、そんなに悔しんでいなかったと思います。僕にとってはアルバルクのようなBリーグの競合で優勝を狙えるところに行くことも、ワールドカップに出るとか、代表に入ることと同じくらいの一つの大きな目標だったので。『こっちのほうが大事』とかはなくて、今、この場にいることにすごく集中しているというか」(テーブス)
ただ、日本代表への思いが弱くなるといったことはない。来夏のパリオリンピックのメンバー入りに向けては、捲土重来を期す。
「(自身の代表入りは)ちょっと終わりかなと思ってたんですけど。パリオリンピック(への出場権を)獲ってくれたこと、『ありがとう』ってみんなに言っておきました(笑)。またチャンスがもらえたので、もし呼んでいただけたらまた頑張りたいなと思います」(テーブス)